書跡

筆跡に宿る、先人たちの「魂」

仮名書きの紀行文

国宝 土左日記(部分)

国宝 土左日記(とさにっき)(部分)

藤原為家筆 1帖 鎌倉時代 嘉禎2年(1236) 兵庫・大阪青山歴史文学博物館

Ⅰ期

紀貫之(きのつらゆき)の著した仮名書きの紀行文で、藤原為家が蓮華王院に秘蔵されていた自筆本を一字も違えず写しとっています。『古今和歌集』の仮名序を記し、名筆の誉れ高かった貫之の筆跡を知ることのできる比類なき作品です。

若き空海の筆跡

国宝 聾瞽指帰(部分)

国宝 聾瞽指帰(ろうこしいき)(部分)

空海(弘法大師)筆 2巻のうち上巻 平安時代 8~9世紀 和歌山・金剛峯寺

Ⅱ期

空海の遺墨は、入唐中あるいは帰朝後のものが多く知られますが、この一巻はそれ以前の筆跡です。若かりし空海の思想、文才と書技が遺憾なく表現されています。「縦簾紙」という特殊な紙を使っているのも見どころです。

「十七条憲法」が記された『日本書紀』

国宝 日本書紀巻第二十二(岩崎本)

国宝 日本書紀巻第二十二(にほんしょきまきだいにじゅうに)岩崎本(いわさきぼん))(部分)

1巻 平安時代 10世紀 京都国立博物館

Ⅲ期

『日本書紀』の最古写本の一つで、旧三菱財閥の岩崎家旧蔵にちなみ「岩崎本」とよばれます。前代とは趣を異にする柔和な字すがたのすばらしさにくわえ、本文を読むために付された記号=訓点(くんてん)も古く、隠れた名品です。

和様の書の大成者、小野道風の書

国宝 三体白氏詩巻(部分)

国宝 三体白氏詩巻(さんたいはくししかん)(部分)

小野道風筆 1巻 平安時代 10世紀 大阪・正木美術館

11月14日~19日

王羲之の生まれ変わりと言われた道風が、「三体」、つまり楷書・行書・草書を駆使し、『白氏文集』を揮毫しています。重厚でありながらも、優しさを兼ね備える道風の書において、楷書はこのなかでしか見られません。